この写真展は、「たけはら国際芸術祭」の一環として2013年4月27日(土)~5月6日(月)に広島県竹原市のドリュー・カフェ・ダイニング・バーで開催されました。
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毎年、広島県竹原市で開催される「たけはら国際芸術祭」。今年もお招きいただき、2度目の出品と相成りました。今回の会場は江戸情緒残る町並み保存地区にある新オープンのカフェ「ドリュー」さん。作品展のタイトルは "Aria dibianco" 。 "bianco" は「白」、"Aria" には「空気」(air)の他にも音楽の「アリア」の意味があり、南イタリアはプーリア州の明るい澄みきった「空気感」とともに「旋律」を感じていただけたらという思いでこのタイトルをつけました。
今回の出品作品のなかでわたしの一番のお気に入りは「兄妹」の写真。白い石造りの教会を背景に、帽子をかぶった少年と栗色の髪の幼い少女が戯れる、何気ない穏やかな日常のひとコマです。もうひとつは白いポロシャツを着た老職人の後姿。工房で作業に集中する背中が「空気」に張りつめた緊張感を与えています。作品群には、モノトーンのマテーラの写真も数点加えました。こちらは廃墟の町と、そこに住む人々との生命感のコントラストを楽しんでいただけたらと思い、セレクトいたしました。
会場の「ドリュー」さんの2階席からは、新緑の山とその中の山寺が一望でき、町並み保存地区の石畳やべんがら格子とともに、南イタリアのものとはまた異なる、日本らしい「澄みきった空気感」があり、この取り合わせの妙も面白かったと思います。
最後に、この素晴らしい機会と会場を与えていただいた「たけはら国際芸術祭」の関係者の皆さま、カフェ「ドリュー」のスタッフの皆さまに、心より感謝いたします。また「兄妹」の写真については、膨大なカットの中から嶋原浩氏の卓越した審美眼により発掘していただいたものです。この場をお借りして感謝の気持ちで結ばせていただきます。(記:鬼界 順 2013年5月30日)
展示作品より 兄妹 アトリエ ドア1 白い家